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2015年度 大学院生 研究紹介

 ここでは大学院生が行っている研究を紹介します。
 
 修士論文以外にも、共同研究や自主研究で実施したものも記載していきます。
 
 抄録や研究ノートはPDFから閲覧してください。
 
 
修士論文報告会・研究発表

人間科学専攻 

2015年度Master2 

第2回修士論文中間報告会

夏期人間科学

修士論文検討会

学会発表

「生き方」

―アイデンティティのアクチュアリティ

 

飯沼和希

これまで、アイデンティティ研究ではアイデンティティを感覚としていたが、それを言葉や測定によって理念的な枠組みに操作的にあてはめていた。しかしながら、そのひとが実際に感じている感覚と測定されたり判定されたりしたものは異なる。そのひとが感じるアイデンティティについての生の感覚(アクチュアリティ)を捉えなければ対象となるひとを捉えることにはならない。では、アイデンティティのアクチュアリティとはどのようなものだろうか。本研究では、自らの存在についての感覚を「生き方」と言葉を変え、それがどのようなものかを、従来のアイデンティティとの統計的な差異を見出した後、青年たちとの面接を通して探求していく。

学校・家庭・地域の連携による教育が教員の

ソーシャル・サポートに与える影響に関する

実証的研究

 

工藤一政

新しい教育システムの1つに、地域住民や保護者と協力して学校を運営していく「学校運営協議会制度(地域運営学校制度、コミュニティ・スクール:(CS))」がある。CSは全国に広がり、研究も進んできている。しかし、CSの導入による効果研究は未だ研究途上にある。さらに、研究途上にある効果研究のなかでも、教員に焦点を当てた研究は少なく、ソーシャル・サポートに与える影響を検討したものは皆無である。そのため本研究は、SCが教員のソーシャル・サポートに与える影響を明らかにしていく。方法としては、杉並区地域運営学校成果検証調査のデータの一部用いて統計的な分析を行っていく。

研究ノート掲示

文教大学大学院

人間科学研究科 HP

現代青年の生き方の形成における

個人的価値の構造

 

飯沼和希

青年の生き方はアイデンティティを形成するなかで形成される。アイデンティティは自我理想と理想的な自己の理想的な自己の間のズレを統合させることである。このような調整を経て形成される「生き方」を左右するものは価値への志向性であり、本研究では、現代青年が重要とする価値の構造を明らかにし、社会志向性・個人志向性、重要だとしている価値が青年の生き方にどのように影響しているかを検討する。その予備調査として、青年が実際に重視している価値を抽出するための調査を行い、45の価値カテゴリーが抽出された。

ストレスコーピングに対する反省的評価が

well-beingに及ぼす影響

 

飯沼和希・武藤康平

特定のストレッサーに遭遇したときには,ストレッサーに対する認知的評価とコーピングの一連のプロセスが行われる(Lazarus & Folkman, 1984)が,コーピングとその結果の経験は,後に生じるストレッサーへの対処に影響を与える(Schwarzer & Taubert, 2002)。本研究では、それに影響を与える主観的評価を「コーピングに対する反省的評価」とし、質問紙調査を用いて反省的評価が心理的・主観的well-beingに及ぼす影響を検討した。その結果、反省的評価がポジティブであると心理的well-beingと主観的well-beingの認知的側面は高まり、主観的well-beingの情緒的側面はネガティブがない状態になることが示され、コーピングの使用頻度は反省的評価を媒介としてwell-beingに影響を与えることが見出された。
運動部活動における体罰意識の変容
濱田章裕
 
 平成2014年、文部科学省の体罰の実態把握についての報告によると公立学校の中で小学校を除いて中学校40.1%、高等学校44.4%と部活動の活動中の体罰が1番多くなっていることが明らかにされた(体罰の実態把握について(第2次報告))。
 部活動の運動部では勝敗が関わってくる活動が多く、勝利を求めるあまり過度な指導を行なってしまうケースがある。こういった場合に体罰をしてしまうのである。そして、体罰による生徒・学生へ影響として朝日新聞2013年5月12日付朝刊の調査によると体罰を受けた学生の方が受けていない学生より体罰を容認する傾向にあることが示された。
 そこで本研究では、体罰が危険な行為と社会的に認識されながらも、なぜ体罰を受けた者が体罰を容認しやすい傾向になるかについて体罰の構造から明らかにしていく。
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